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昭和ひとけた京育ち No.107 「朝の間」
 
No.107 「朝の間」

「朝の間」

26.8 × 39.5 cm

 

  「朝の間に もの学ばせよ 幼な子も 昼の暑さに 倦(う)み果てぬべし」

 この詩(うた)は、戦前、小学校で習った明治天皇の御製(ぎょせい)で、当時、夏休みには御製の題の「朝の間」をタイトルにした宿題帳があった。

 終身、算術、国語など、熱の出そうな問題がびっしりの、ノートだった。

 「どこへいくの!?涼しいうちに宿題しとかな、あかんぇーっ」。夏休みに入るなり毎日、毎日言われつづけていたのに…。「あーあ」。ちゃんと守らへんかったばっかりに、夏休みも終わりになってから、一日中「朝の間」とにらめっこやなんて…。ああっ、またおばあちゃんが小声で唄(うた)ってる。「朝の間に もの学ばせよ 幼な子も…」。ううっ、もうたまらんわ。ノートの上にふき出した汗が、ポタリ、ポタリ。昔も今の子も、これだけは変わらない夏休みの終わりの姿。

(絵と文:木村祥刀)

1995年 8月 2日 京都新聞 掲載


     

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